hana-1970、コザが燃えた日-【1月21日~1月23日、2月10日~11日公演中止】 公演情報 ホリプロ「hana-1970、コザが燃えた日-【1月21日~1月23日、2月10日~11日公演中止】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    素晴らしかった。戦争と米軍基地のもと沖縄の歪んだ現実を、人間ドラマの中に凝縮してみせた傑作である。特に幼いナナコ(上原千果)の愛くるしさを思い出すハルオ(松山ケンイチ)の語りには、思わず涙腺が熱くなった。米兵相手のバーのママ(余貴美子)の家族の、一夜の物語。本土復帰を2年後に控えるが、米兵の轢き逃げが無罪になるなど、米軍の横暴にウチナンチュの不満は溜まっている。

    そんな状況を背景に持ちながら、バーはなにやら怪しげな雰囲気。イエローナンバー(米軍の盗難車)を乗り回すヤクザのハルオに続いて、脱走兵や、本土のルポライターも現れる。ごく普通の夜だったのに、次第に家族の予想もしなかった過去や、登場人物それぞれのトラウマ、心の内底の思いがさらけ出されていく。外はどんどん騒がしくなり、ついにコザ騒動に。

    沖縄戦の凄惨、米軍基地の成り立ち、ベトナム戦争の兵士のトラウマや、Aサインバーの実情、脱走兵支援運動、復帰運動や米兵の犯罪がなにも罰されない治外法権等々、見事に芝居に溶かし込んで現実を突きつける。悲劇を語る後ろで不気味な音が微かに唸り続ける音響、登場人物のドラマを際立たせる照明も素晴らしかった

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    2022/01/14 21:31

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