実演鑑賞
満足度★★★★★
別の舞台にて劇団壱劇屋東京支部さんに出会い、観に行ってみたいなあと思った最初の舞台です。
こちらを観劇するまで他の作品も拝見させていただきましたが、本作品はキーワードである「水」があまりにも美しかったです。雨のきらめき、雫ひとつ、大河のうねり、流水の音、生活の傍らにあって、災害にもなってしまう水、その満ち引きひとつひとつを、映像を使うわけではなくこれほどまでにローテクで表現できることに感服いたしました。アクションモブの皆様、本当に凄いです。
殺陣について、主役のお二人は回数を重ねるたびに剣筋に磨きがかかり、ゲスト出演の水神様・宰相の方の圧巻の高速殺陣は、もはやこんな贅沢を超至近距離で味わっていいのかというほどで、大胆かつ繊細な運びの数々に息を止めて見入ってしまいました。また刺客お二人のそれぞれの特性のある武器での殺陣がとても格好よく、ご自身の身長ほどある長物を振り回す勢い、空間すべてを使い切った矢の殺陣など、観ているこちらが切られたり避けたりしてしまうほどの大迫力でした。
本作は、二組の父と娘の優しく美しく悲しい物語ですが、父娘のシーンはどのシーンもワードレスなはずなのに、たくさんの台詞が聞こえ胸に迫ります。
とても素敵な舞台をありがとうございました。刺さる方がたくさんいるはずだと思うので、大勢の方に見ていただきたい傑作です。