実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/12/31 (金) 13:00
年の最後にものスゴイモノを観た。面白い。
黒澤世莉の新ユニットの旗揚げ、と言うか、行き先を探すための公演だそうだが、斎藤憐の1967年初演戯曲を黒澤が演出。白戸三平をモデルにしているが、やや遅れてリアルタイムに経験した白戸体験と重ねてみると、非常に興味深い。75分(休10分)80分強が長く感じない。1959年頃の白戸の体験と、作品である「赤目」の劇中劇が同時に進行しつつリンクする1幕に対して、2幕は冒頭45分ほどが劇中劇に費やされるという対照的な展開になっている。「赤目」は小さい頃に読んだことを、2幕が始まって思い出す。力量ある役者陣が丁寧に演じ、終盤5分の展開は一気に見せて見事(ただし白戸本人は、ああいった存在と観られることを嫌がっていたという話もある)。百花亜希の華のある役柄が印象に残る。新聞紙を使った演出も強烈な印象。