実演鑑賞
満足度★★★★★
#河原翔太 #徳倉マドカ
#松尾理代 #宮川飛鳥
#右手愛美 #一之瀬花音
#阪本健大 #木村聡太
#齋藤拓海 #冨永さくら
#瀬安勇志 #福冨宝(敬称略)
『水』
フリーパスで何度も観ていた頃の人が去り、或いは外部公演に客演し、アマヤドリがアマヤドリではないと思っていたし……ある意味では思っている。でも、今日観たコレは紛れもなくアマヤドリで、新生アマヤドリが素晴らしい作品を上演していた。拍手を贈りたい。
2014年に観た『水』は疲労困憊の中で観たせいか、はたまた同時上演の『海の夫人』のインパクトが強烈だったからか、掴みきれず印象が薄い。だから『あれ⁉️こんな話だったっけ⁉️』というのが本音。いやぁ、面白い。主宰の広田淳一さんの社会に対する鋭い目が、人間の奥底にある反社会的な思考や行為を盛り込みながら、我々の道徳や倫理の正しさについて問いかけてくる。いま改めて、2014版を観返してみたいと思う。
今回注目していたのは右手愛美さん。出産と子育てのタイミングで自身の劇団の活動を休止していたため、舞台の姿を観るのは久しぶり。何を隠そう、アマヤドリに嵌ったのは彼女を観るために出かけた2013『うそつき』がきっかけで、それ以来ズブズブに愛してしまったワケだ。右手ちんは変わらず魅力的だった。魅力的だということは変わらないけれど、役も表現も大人だった。冒頭しばらくは誰だか分からなかったくらい。かつての魅力はそのままに、抑えの効いた落ち着きが増し、素敵だった。
今回の発見は阪本健大さん。早台詞も聞き取りやすいし、陽気さと神妙さの振り幅とバランスが見事だった。彼の声と表情と動きに引き込まれた。次の出演も観たい。
美術や照明も美しかった。
あっという間の140分。長くないよ。怖くないよ。是非とも観て欲しい。