実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2021/12/17 (金) 12:00
寺山修司が天井桟敷結成以前に書いた未上演の戯曲が初公演、だそうだが、筋の分かる寺山は初めて、な気がする。70分(休20分)80分強。
猛夫(山田裕貴)は父を難破で亡くすが、父と結婚する予定だった魔子(松雪泰子)と出会い恋に落ちる。ところが父・彌平(ユースケ・サンタマリア)は実は生きていて…、な物語。時間軸も空間軸も飛ぶことがなく、素直に展開されるあたりは寺山っぽくないが、「祝祭」感は寺山らしくもある。音楽劇として構成されているので長くなるのはしょうがないが、物語にヒネリは少ない。
オープニングで、声だけで分かる中尾ミエの歌唱で始まるところに貫禄を感じる。ただし、ここと2幕のオープニングだけというのは勿体ない。そばかす役の清水くるみと那美役の伊原六花に新鮮味を感じるが、役を逆にしてもいいのではないかと思った。