実演鑑賞
満足度★★★
「深夜ラジオ」というキーワードを通して描かれる絆とか愛とか。
伝えたいことは理解できるが表現がどこまで追いついていたかについては疑問が残る。例えば脳梗塞の後遺症を負ったミュージカル女優の姉がラジオを通して妹に語り掛けるシーン。物語のクライマックスであり、迫真の演技が求められるところだが不自由な言葉遣いは作りものの域を出ていない。(演じた日下さんは努力されたと思うが)これはどんな名優にとっても難役だろう。ミュージカルという身体表現の対極にあるものとして脳梗塞による身体不自由を選んだのかもしれないがそうだとしたらいささか安易だろう。女子大生の妹が姉の病気の発症を自分のせいにして見舞いに行けずにいる、という設定にも違和感がある。逆に毎日見舞いに行くのじゃないかな、という気もする。お笑いコンビの復活の過程もあっけなく淡白な印象。