闇鍋音楽会vol.2 『The leg line』 公演情報 仮想定規「闇鍋音楽会vol.2 『The leg line』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     劇場には何かが居る。

    ネタバレBOX

     アクシデントや天候不順で出演者が劇場へ来れない。そんなシチュエイションの中で三々五々集まったあれやこれやの人々。無論予定していた出演者も居るには居るが香盤表を埋めるには余りにも少ない。然し穴はアケラレナイ! 観客が入るか否かも定かではない。然し穴はアケラレナイ!
     この土砂降り、凄まじい雷鳴の中で多くの交通機関がストップ、停電や事故、おまけに電話迄通じないのだ。が、素人も含め雨宿りの坊さんや食品配達をバイトでやっているラッパー、電気工事士等々が怪我や下手をすれば死をも覚悟せねばならぬ酷い状況の中でも入口を閉ざすことをせぬ劇場に逃げ込んで来た。これらの人迄巻き込んで送る妙に楽しく爽やかなショータイム。
     折々妙に哲学的で深い台詞が入り、それが夢と現実の、死と生の境界領域に位置する劇場空間で機能する。未だ国家幻想だの、法だのというチマチマした縛りに対する抵抗感も慣れも無い時代と空間に。
     これはヒトが未だ原人だった頃からの長い歴史の中で培ってきたアナーキーで自由な生き方を改めて刻印する儀式だ。自分達の想像力及び創造力と実践で勝ち取ってきた、勝ち取ってゆく姿こそが、今当に晒され共有される。自立と相互補完への息吹が新たな時代を感じさせるのは、そのショーで羽を付けた衣装を用いるシーンがあることやあの世とこの世を繋ぐ木魚や大徳寺リンのような仏具の利用、ハーモニカ、テープ音源、歌唱、ダンス、・タップダンスにシャンソン、シャンソンもどき等と共演する演目にも表れていようし、移動できるハンガー5つを利用したショーアップの巧みに、電力不足による照明・音響の二択等の困難を創意工夫で乗り切ってゆく清々しさや全体としての爽やかさに繋がって何とも言えない。

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    2021/12/11 17:42

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