実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/12/08 (水) 19:00
ONEOR8の田村孝裕の脚本を寺十吾が演出する。重いけど面白い。120分弱。
2008年にONEOR8で上演され、2019年に神保町花月で上演するためにリライトされた脚本で今回の上演。初演は観ていないが、神保町花月での再演は観ている(そのときの感想はhttps://stage.corich.jp/watch/365387/stage_comments)。犯罪を犯したらしい(後に事情は分かる)男を匿うため父親がマンションを与え、恋人が一緒に住みたいと言い一緒に暮し始めるが…、という、その後10年に渉る物語。男は捕まらないために一歩も家を出ることができず、そのために恋人がいろいろと苦労するのだが、冷静に考えれば、そんなことをしても、と誰もが思う展開で、イライラさせられる。そのイライラこそが田村が狙ったものだと思える舞台になっていた。軸は、男(荒井敦史)・恋人(傳谷英里香)・父親(入江雅人)で、この3人が巧い。特に、TVで観て気になっていた傳谷英里香がしっかりヒロインを演じていた。荒井も、愛する人に捨てられ続ける男を演じて確かなものを感じた。
小劇場系の芝居を観始めた頃は、怒れる若者、みたいなのを演じていた入江が父親かと思うと…(遠い目)。