太陽は飛び去って 公演情報 Ammo「太陽は飛び去って」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    小説家役吉村公佑(こうすけ)氏が矢鱈三沢光晴に似ているのが気になったが、実は“どインディー”団体「よしむらプロレス」の主催者でもあった。副校長役大原研二氏は清原和博を思わせる風貌。綺麗な女中役福永理未(さとみ)さんは宮崎萬純に似て目を惹く。大根なのかコントなのかと演出もやり過ぎていて、客席のムードをガラリと変えた亀井子爵夫人役のトヨザワトモコさん、まさに怪演。こういう役が本当に向いているフェミニスト顔の奥野亮子さん。堤千穂さんははっきりとした顔立ちの美人。

    1929年(昭和4年)、女性解放運動家の代表者を決める選挙。市民派(婦人参政権の獲得を第一の目標)、無産派(財産を持たないプロレタリアートの社会的解放)、革新派(外地の国民を束ねての権力獲得)が出馬。立候補を見送った融和派(各思想のバランスを重視する)の主人公(前園あかりさん)の屋敷にそれぞれ自陣営に投票するようアピールにやって来る。

    ネタバレBOX

    井上実莉(みのり)さん演じる女学生がフェミニズムをどう訳すべきか悩む。主人公は男女同権を勝ち得た後、人が幸せに暮らす為に何を求めるべきか思索する。結局、「運動」が目的化してしまい、そもそも「手段」であったことを皆忘れてしまうのだ。本来はどうあるべきなのか?どうしたかったのか?

    ぎゅうぎゅうに詰めた椅子の配置で身動きが取れず、空調の調整ミスにより蒸し暑く、結構寝息が響く会場。詰め込み過ぎて逆にうねりが無くなった単調な展開。描きたいものがあり過ぎて互いを潰し合ったドラマ。田中千佳子さん演ずる女中が主人公に言い放つ名台詞、「あなたは踊りを踊ることに夢中になっているだけのただの道化です。」が今作の象徴。雷鳥が鳴こうが嵐が来ようが物語はうねらない。

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    2021/12/03 10:01

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