実演鑑賞
満足度★★★
笠井渚さん演ずるママが経営するスナック、「消しゴム」。今宵も常連客で溢れ、酔っ払ったエロおっさんの唄う懐かしカラオケが轟く。暴走柔道王を彷彿とさせる河嶋健太氏の暴れっぷり、それを華麗にいなすホステス役の瀬上摩衣さんが可愛かった。開幕早々、ベロンベロンに酔っ払った空間に引き摺り込まれる観客を、小川大二郎氏演じる高校教師が更に駄目押し。真っ赤な顔で(メイクか?)トイレ周りに小便を撒き散らす醜態、へべれけ泥酔客に挟まれた客の気分を仮想体験させてくれる。死んだ母から継いだこの店をシングルマザーで切り盛りして来た笠井さん。そこに十年前金を持って失踪した妹が帰って来るところから物語は走り始める。
兎に角、笑いが充実していてシリアスな場面にも必ず何かを挟む。クズ詐欺師役、三枝俊博氏の細かいツッコミが笑いをナレーション気味に説明。女子高生お笑いコンビ役の中村水優(みゆ)さんの顔芸もインパクト大だった。何と言っても主演の笠井渚さんが凄い。クライマックスからラストにかけての熱演は強烈。『顔』の藤山直美を想起。「優しい嘘」がスナック中に溢れ返り、皆がそれに包まれて涙する。かなり記憶に残る名演、お薦め。
2021/11/26 07:43
ご観劇ありがとうございました!
長女のセリフへの深いご考察、興味深く拝読しました。
ひとつのセリフから哲学的な意味を見出される洞察力に感激です…!
励みになるご感想、感謝しております。
また次の作品でも、お客様にお楽しみいただけるよう精進して参ります。
今後ともよろしくお願いいたします!