実演鑑賞
満足度★★★★
チラシに書かれていたが、「音声の多重化」を取り入れた自然な会話劇。
ごくごくありふれた男たちのありふれた日常の話ということで、あらすじから最初どう面白くなるのか心配だったが、タイトル『崩れる』の意味が分かってくるとその世界に自分も存在するかのように惹き込まれていった。
それぞれ個性のあるキャラの役者たちの熱量が積み重なっていき、たわいもない内容なのにどんどんドラマチックになっていく展開。
畳み掛ける会話劇とのギャップもあり、舞台転換や間が効果的に使われていた。
回収されていない伏線は観客に委ねたが、もっと観たい余韻で終わってしまったあっという間の2時間。ラストわざと雨音でかき消した言葉が何といったのか気になる。
普段とは違うスタイルで臨んだ作品ということで、他の公演も観たくなった。