たましずめ 公演情報 SPIRAL MOON「たましずめ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    少し捻りのある叙情的な珠玉作。じんわりと心に響いてくる上質な味わいはSPIRAL MOONらしい。
    上演は「まちかど」「西向く桜井」「落花生と柿の種」の3短編作品である。作品を叙情的と思わせるのは、脚本、演出はもちろんだが舞台美術がその雰囲気を醸し出す。場内に入るまでの階段に木の葉、場内には公園もしくは山奥の社といった場所をしっかりと描き出す。
    (上演時間1時間10分)

    ネタバレBOX

    舞台美術は、第1話と第3話は関連しているため基本的に同じ。上手に木立、その下に占い師のテーブル(3話目の時には無い)、下手は大木の枝葉が茂っている。その下にベンチが1つ。地面の所々に草が生えておりリアルな造作。第2話は中央に社と供物、そして錆びて文字が読めないバス停標識。空調の関係であろうか 木の葉が揺れており自然を感じさせ、薄暮を思わせる照明にした時、壁に揺れ動く陰影がなんとも情緒的だ。

    ①「まちかど」…職場もしくは学生時代の先輩であろうか、好いている男・良男(星達也サン)へ何とかアプローチしたい早苗(道祖尾悠希サン)は占い師(秋葉舞滝子サン)と組んで、自分の意思表示を試みる。それをベンチから見守る女(=魂だけ:石井悦子サン)。その女は良男の亡き恋人か妻のような存在だが、自分に捉われないで新たな一歩を踏み出してもらいたい様子。占い師にはその気持が解るという超常の類。

    ②「西向く桜井」…母・沙織(矢治美由紀サン)が息子・祥太(渡部康大サン)と共に山奥にいる怪しげなカウンセラー・桜井(牧野達哉サン)に心療相談にくる。祥太は色々な事件に関わり、記憶の隠蔽や外界との関係を遮断している。心の闇の解放治療にやってきたが、それから桜井と祥太の虚々実々の攻防が始まる。桜井はカゲロウ(多咲明美サン)の狐妖しの力を借りて…。沙織と桜井は何らかの関係があるような雰囲気が気になる。

    ③「落花生と柿の種」…精霊流しの時季。浴衣を着た早苗と良男は出店でビールと つまみを買ってベンチで語らう。良男は、2人の酒肴を落花生と柿の種に準えて、適度に混ざっていたほうが飽きがこなくて楽しめる。何気に早苗の気持を受け入れる、第1話のエピローグ(魂だけの女は登場しない)。

    それぞれの話に小難しい理屈があるわけでもなく、まして無理にまとめる必要などない。観たままを素直に心に刻めれば良し、そんな味わい深い公演。楽しめたぁ。
    ちなみに、捻りがあると思ったのは、超常現象の類や深層心理の探り方に妖しを登場させ、幻想的、見えない心の在り様を何とか視覚化させようと努めているところ。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2021/11/12 17:06

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