実演鑑賞
満足度★★★★★
2021/10/29(金)14時に、王子小劇場で観た、バンタムクラスステージ、
「エレモアムーブ」の感想です。
劇場に着くと開演前に、映画館のような予告編が流れる。劇中の主人公が過去に主演した映画だ。面白い。続きが見たい。予告編だけでは勿体ない。
本編。主人公エレモアは映画俳優。彼の身近に居る人や、作品に影響を受けた人々の思惑が交差し、やがて大きなムーブメントに成っていく。
エレモア自身の、心のムーブが揺れ動きすぎる。コミカルに、時にシリアスに。
周囲が放っておけず、思わぬ展開に広がって行く様が、小気味よい。
役者は皆さん手練れ。「皆さんが全て手練れ」という作品は、実はなかなか無い。その所作、声に、細かい配慮が、随所に見て取れる。今回のエレモアムーブに出演してる皆さんは、本当に全員手練れ。素晴らしい。
とても難しいセリフ流れの脚本が、実に気持ち良く観客の耳に入ってくる。
自然にクスッと笑え、シリアスな心情にも、寄り添える。
舞台美術、照明、音響、衣装等に至るまで、シンプルな様に見えるが、
実に良く計算、熟考された上での、シンプル。良き。
最後のシーンは、バンタムという団体の背景を知っていると、より胸にくるものが有る。
そして、観客が安全でスムーズに観劇出来るよう、様々な部分で制作スタッフの方々が、心配りしてくださっているのが、よくわかりました。
ありがとうございます。
久方ぶりの、劇場での観劇。
やはり目の前で、人が話し、動き、笑い、泣き、それを直接感じる事が出来るのは、何物にもまさるよろこび。
バンタムクラスステージ
「エレモアムーブ」
王子小劇場 王子駅徒歩5分
2021/10/22金から31日まで。
ツイキャスでの配信もあり。定点とスイッチングの2種類。アーカイブは2週間。
以下、私感。
いつ以来だろう。久し振りに、劇場へ向かう。
家で観に行く準備中や、電車に乗っている時、
「ああ、そうだ。観に行く時は、こんな風に時間が流れ、景色が動き、気持ちが高鳴り、向かっていたんだった。」と思い出す。
全てが以前と同じという訳ではないが、
演劇を劇場で、生で観る事が出来る状況が、戻ってきた事を実感する。
今回、希望日の座席が、事前に売り止めになり、観劇を諦めていたが、
前日夜に急遽増席され、予約可能になり、観に行く事が出来た。感謝致します。
帰り際、作演出家の方に、エレモアムーブ本編の感想を伝え、
映像化・DVD化希望と共に、予告編の方の作品化もお願いしてみた。
以前、劇団6番シードさんが、映像チームのプロジェクトヤマケンさんと、劇団PVを作り、評判となり、
その後数年に渡り、制作実務や資金面で、ファンと協力しながら、映画館での公開に至った。
という事例もある。
クラウドファンディングの活用等も。
舞台作品と映像作品で、準備期間や作成方法は異なるが、
エレモアムーブ本編・予告編ともに、
作品自体にチカラがあり、何度でも見たいと思うので、ぜひご一考を。
コロナ禍以降、
実際に劇場や映画館に行く、生配信や、アーカイブ映像で残すなど、
作品を楽しめる時間・選択肢が広がった事は、良い。
2021/10/30(土)
トランクウィル 記する。