関数ドミノ 公演情報 イキウメ「関数ドミノ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    ラストが大好き!
    再演ゆえ、劇中で描かれる難病のほうは不治の病ではなくなり焦燥感が減じてしまった印象も、作者が就職氷河期世代ゆえの「格差社会」への視点は時代的により生々しくなったかも。でも、そんなことは作品の一部であり、前川世界はもっと深い。終盤の展開が予想できたという声も少なくないようだけど、けっこう自分はミスリードされてしまった模様で、最後はなかなか“どーん”とくるものがあったよ。

    ネタバレBOX

    それまでずっと、他人を妬み、妄念に囚われ、ネガティヴにしか考えられなかった真壁薫(古河耕史)が、はじめて、愛する者のために祈りを捧げるかのような、決意を秘めた爽やかな表情をみせるラストが秀逸で。その一瞬にすべてを託した演出が、かなり心地よかった。

    ただし、ちょっとそれぞれの役者の演技質が整っておらず、プロデュース公演的な印象を受けてしまったので、少し満足度は厳しめ…。

    ちなみに、ミスリードされたのは、ドミノは人を単純に救うのではなく、別の誰かに病気や怪我、あるいは不幸を押し付けることができるような存在ではないか、と推測してしまって。助かったと思ったら、替わりに誰かに苦しみを背負わせてしまっただけだった、みたいな葛藤の物語を勝手に作ってしまったんだよなあ(笑)。

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    2009/05/21 07:09

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