実演鑑賞
満足度★★★★★
観終わって、振り返ってみれば、全ての登場人物がそれぞれに絶妙な個性を持ち寄って作品世界を彩っていたのだなぁとしみじみ。
独特のプロット、構成力がもたらす妙、直球の演技にすっかり酔いしれました。
既に観に行く事が決まっている方は、予備知識なしで、ただただ目の前で繰り広げられる世界に身を委ねるのが良いかと。
同時進行で描かれる3つのストーリー。
その3つ中で一歩前に立っているのは、
場面1「劇場」 作・演出オシムによる旗揚げ公演。
立ち稽古での前途多難っぷりに思わず笑えて、やがて湧いてくる劇団への親近感。
小演劇バックヤードものとしても中々興味深く、うん!これは面白いなぁと。
そして
場面2「中学校」 担任教師の無配慮っぷりが気になる転校生のエピソード
と、
場面3「喫茶店」 どうやらカップル成立には無理がありそうなマッチングアプリ男女のエピソード。
これらのエピソードが後にどう繋がってくるのか分からないけれど、とりあえずそれぞれに惹きつける吸引力があるし、アプローチが異なってその先が気になる。
舞台立ち位置のバリエーションが目に楽しく、人物個々の輪郭もハッキリとしてきて、・・・それはもう興味深く楽しんでいたわけです、それぞれの場面が突然繋がるまでは、ずっと自分のペースで
3つの関係性が繋がった途端に、隠れていた意味も一気に立ち上がり、別の表情に変わって押し寄せてくる物語の力強さ、痛み、演技の迫力といったらもう。
まさに胸を打つ「夢の途中」の物語。
観に行かれる方はここに書いた事を一旦忘れて、ただただ目の前で繰り広げられる世界に身を委ねてみてほしいです。