カムカムバイバイ 公演情報 U-33project「カムカムバイバイ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    面白かった。音楽のせいか、終演後やたら悲しくやるせない気持ちにさせられる。この世の誰一人幸せになれないシステムを観せられているような感覚。
    奇妙な話が連続して語られていく。一つ一つは愉快な気楽なエピソード。一見何の関係性もないような話が続くのだが、その場にはいつもニコニコ微笑む謎めいた女性(白野まゆ佳さん)の姿が観客にだけ見える。

    ほぼ主演の月海舞由(つきみまゆ)さんが大熱演。小泉愛美香(あみか)さんが可愛かった。岡村俊佑(しゅんすけ)氏のリアクション芸はド迫力。

    ネタバレBOX

    ①上司に連れられて立ち寄ったゲイバーでの出会い
    ②綺麗になるスプレー
    ③脱獄を指南する女
    ④不安に陥る女アナウンサー
    ⑤金持ちになりたい女性とシャンプー

    テーマはSNS(TwitterやYouTubeも含んでいる)。キラキラと輝くコンフェッティ(紙吹雪)が”いいね“を表象。孤独な人類はSNSに縋り、愚痴りいきり相談し胸の内を吐露する。無意味な独り言に相槌を打ってくれる存在。すでに現実世界の人間を超えた存在になっている不特定多数の架空の誰か。受け手としての自分は時にはその一人にもなる。それはすでにシステムとしての“神”じゃないのか?と云う物語。

    脱獄のエピソードは違法指南の比喩だったり、何となく意図は理解出来るのだが、語り口が下手で混乱を招く。月海さんを多用し過ぎ。小泉さんのアイドルになるエピソードなど物語の統一性に欠ける。もっと上手くエピソードを繋げられたらラスト、幻の城の瓦解が生きた。

    帰り道、ブルーハーツの『遠くまで』と云う曲が脳裏に流れる。
    「言葉はいつでもあやふやなもので僕を包んだり投げ捨てたりする。僕をほどいてくれないか?」

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    2021/09/09 22:06

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