ローマの休日と東京の仕事 公演情報 リブレセン 劇団離風霊船「ローマの休日と東京の仕事」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    時間が出来たので急きょ予約を申込み、観劇した。離風霊船は数年前の『ゴジラ』が初で今回が二度目。前回の「楽屋」に並び企画性が目を引く事と、大橋・伊東両名の名も出ていない事からプロデュースに徹した公演?と、まあ特に気にもしなかったのだが先程HPを見ると演出・出演の松戸氏が離風霊船団員であった(そういえば前説も同氏)。
    会場は神学校内の礼拝堂。特に違和感なく開幕を待つ。礼拝堂には演劇やパフォーマンスを行なう場所の性質を元来有している感じがある。この会場は外界とのディスタンス感もあり、内装は新しくシンプルで不要物がなく清潔感あり、出はけの工夫もなされ、暗転がない事を除けば十分に芝居がやれていた。
    出入りに多用されるのが、礼拝堂ならではの長椅子を真ん中で分けて作った赤いバージンロード。
    ドラマの方は穴だらけのコメディではあるが、歌あり俳優による生ピアノあり、うまい俳優が舞台を盛り立てていた。

    ネタバレBOX

    ドラマについて一つだけ注文を付けるなら、(今時いない)清純派で売る予定の箱入り娘(父の事務所に所属しマネージャーである母の指示に従って仕事をし窮屈な生活をしている)が、女優を夢見た原点である「ローマの休日」のヘプバーンの自由さとは正反対の自分自身に悩み、ローマの休日の「ロ」も口に出す事さえ封印する厳格な母という壁を乗りこえようとする前段から、いざ本人がたまたま出会った者たち(これがまた多い)にも助けられ家出(ローマへの旅)を果たす段になって母は元々娘を思い、彼女のローマ行きを見越し、応援している、という展開になる。どうも作者が最初の設定を書いてる途中で変えたのでは?と訝られる180度の転換で、この時このお話は「敵」を失い、容易に敵の見えない現代日本でぼんやりと自由を唱えて生きる等身大の現代人がそこに居たというだけの話になってしまった。
    近い人間の悪、凡庸な人間の悪はコメディにはそぐわない?とも思えないのだが。。
    「替え玉」の実態が全く想像できなかったが、そういう部分よりも何か私たちにとって卑近で大きな敵、ないし壁を越えて人生の新しい局面に立ったという、感動が薄かったのは少々淋しい。

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    2021/08/31 01:36

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