実演鑑賞
満足度★★★★
客観性ある内容を役者が熱演で体現する力作。
公演の魅力は書籍や映像資料だけではなく、実際に約30名弱の経産婦や夫婦へのインタビューを行い、収集したエピソードを再編集して演劇化しているから、説得・納得感に力がある。もちろん描かれた7場(2場は上演時に削除)だけではなく、端的に言えば人の誕生(出産)数だけドラマがある。それを演劇化することは出来ない、というか不可能であろう。だからこそ、取材等を通してある程度類型化が出来そうな場面を描いている。公演は出産の観点で描いているが、生があれば死も表裏のような関係にある。当日パンフに作・演出の谷賢一氏が「生の背景に一体どんな思いと考えがあったのか」と書いているが、むしろ描かれなかったが、流産・死産といった悲しみを経験する場合もある。それゆえ、その不安を乗り越えた先の喜び、無事に産まれた安堵が倍加して描くことも出来ると思うが…。
(上演時間2時間)【Aチーム=男女の性別のままの普通版】