ウェンディ&ピーターパン 公演情報 Bunkamura「ウェンディ&ピーターパン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    物語は四姉弟の末の弟、トムの死から始まる。その夜、ピーターパンが窓から現れてトムを連れて行くのを目撃したウェンディ。その後一年経っても家は夫婦喧嘩が絶えず、暗く落ち込んだままの日々。トムの死が受け入れられないウェンディと弟達は再度やって来たピーターパンに連れられてネバーランドへと飛んで行く。

    Hey! Say! JUMPの中島裕翔(ゆうと)氏がピーターパン役。長身で手足が長く華があり格好良い。ダンスも見事、ルックスも癖が無く、いろんな役を演れそうなので今後舞台で活躍すること請け合い。ウェンディ役、黒木華さんは生で芝居が観れるだけで有り難い存在に。タイガー・リリー役はTOHOシネマズの女神、山崎紘菜(ひろな)さん。初舞台(朗読劇は有り)なのに出た瞬間から場の空気が変わるような存在感、絵になる。トム役下川恭平氏はダンス大会で優勝する程の腕前で、ラストに物凄い見せ場がある。会場の心を鷲掴みにする富田望生(みう)さんはティンク(ティンカーベル)役。「私がモテてどうすんだ」の主人公(激ヤセ前)だった。矢鱈ベテランの風格で客を弄る余裕、「ソロモンの偽証」を始め、自分がかなり観ていたことに後から気付いた。父親とフック船長の二役を演じるのは堤真一氏。同一人物と気付かない程に演じ分けていた、流石。母親役石田ひかりさんの出番が殆どないのも吃驚。

    ワイヤーの技術が高いのか、出演者が簡単な装着で次々と宙を舞っていくのは圧巻。腰が痛くならないのか?昔はちょっと飛ぶだけで驚いたものだが、今では香港映画並に誰でもホイホイ飛び回る。哀しげなテーマ音楽が凄く良い。

    ネタバレBOX

    ピーターパンは死んだ子供を連れて行き、夜空の星にしている。星は母親の涙で濡れて光っている。残された家族全員がいつの日か幸せを感じることが出来るようになれば、星はネバーランドに流れ落ち子供はロストボーイズ(迷子達)として再臨する。

    フック船長は老い(時間)を怖れ、“永遠の子供”であるピーターパンに憎悪と憧れを抱く。何度も殺そうとするが果たせない。もう一人の自分として(自分の中の葛藤として)表現しているのか。

    何か物語のオリジナルとアレンジの部分が中途半端、振り切れていない。演出もテンポが悪くイマイチ。海賊船の造形はカッコイイのだが、小さ過ぎて最終決戦の見せ場には成り得ない。狭いスペースでちょこちょこチャンバラしているだけ。冒頭の部屋での海賊ごっこの方が壮大だった。「るつぼ」の演出は好きだったのだが···。
    黒木華さんはちょっとミスキャストか(大ファンだが)。ふっくらとし過ぎでおませな少女ヒロインの感じが出ない。

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    2021/08/15 07:17

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