LAST&SEX~終焉と悦楽~【公演中止】 公演情報 文化芸術教育支援センター「LAST&SEX~終焉と悦楽~【公演中止】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

     Lチームを拝見。『白い夢』秋山了亮、『蝶をつまむ』なないろみほ、『ラストバトル』水野祐三子、『ラスト・ホーム』金井博文の4作を上演する予定であったが、出演者の一部に体調不良の者が出た為、急遽『白い夢』を割愛、3作品の上演となったことが、メールで通知された。無論割愛作品に対する対処も記されており、観客も納得できる内容であった。制作のこの対応はグー。(華3つ星)

    ネタバレBOX


     然し乍ら舞台自体は、極めて辛口の批評にならざるを得ない。殊に上演された3作総てで演出の稚拙が目立った。3作のうち先に上演された2作の各々のラストが次作品のトップと明確に区別されていないからメリハリが効かない。始まりと終わりの演出でこれだから、作品の進行中が如何なるものであったか容易に想像がつこう。尺はそれぞれ30分強の短編であるからメリハリをキチンと付けて上演するのが王道だ。
    脚本には各々、極め台詞と言い得るような表現が散見されたから猶更残念である。『蝶をつまむ』は50代男3つ股の”内実“暴露である。この女たらしの垂らし込んだ女性の数が3人であり、彼女たちの愛の誓いが表面的である点で、誰しもがシェイクスピアの「リア王」を想起するであろう脚本になっている点で短編でありながら作品の幅、奥行きを広げている点にこの脚本の工夫を見た。(「リア王」の場合末娘だけは、父に尽くそうとしたが。)まあ、オチは見えてしまうしネタバレになるから明かさない。
    『ラストバトル』は、格差社会を表象したような作品で、いいようにあしらわれる惨めな男を演じた役者さんの演技が最も気に入ったが、イカンセン体力も気力も無いハズのこの敗残者がシーンによっては極めて強い体力・気力を発揮する矛盾については、もう少し脚本を練って欲しいとは思った。
     『ラスト・ホーム』は女性ばかりのホームレス集団の物語。時代を反映してかLGBTQ絡みのキャラも登場し、而も格差社会の厳しい現実と、彼女らのシノギ。弱者相互の助け合い等も描かれ、昏い世相に対する仄かな光明や安らぎも提起されている。

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    2021/08/05 17:19

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