風吹く街の短篇集 第五章 公演情報 グッドディスタンス「風吹く街の短篇集 第五章」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    『朝、私は寝るよ』
    55分の二人芝居。 
    主演は今出舞さんだと勘違いしていたが、今泉舞さんだった。対するは、はしのえみさんの旦那でもある綱島郷太郎氏。
    クズ男とクズ女の一夜の話なのだが、話が進むに連れどんどんと展開にのめり込んでいく仕様。前半はまあよくある設定程度に思っていた筈がタランティーノの与太話のようにぐいぐいと異界の沼に引き摺り込まれていく。一体こりゃ何の話なのか?と笑い出したくなる程馬鹿げていて、その分痛切に沁みて痛い。馬鹿馬鹿しくも純愛。
    いつしか今泉舞さんのことを、知っている誰かにどこかしら似ているなあと思い始めると、作品世界は一気に現実味を伴って他人事ではなくなっていく。
    多分女性の方が皮膚感覚で解る物語、お勧め。

    ネタバレBOX

    アラフィフのおっさんとアラサーの女性の不倫の行く末。女の部屋に男がやって来る。男の妻が自動車に跳ねられて現在意識不明の重体中。不倫をしていた罪悪感から、妻の事故が自殺未遂なのか思い悩む男。女はよく妻を尾けていて、実はその日の事故の様子も目撃していたと明かす。男は事故の真相を尋ねるが女は答えない。ブリーフ姿で女に土下座する男。二人のイカれた遣り取りが一晩中続く。
    罪悪感の告白、SEX、別れ話、土下座、居眠り···、男のクズっぷりに客席から笑いが起こる。たこ焼きを手掴みにし、力尽くで何個も男の口に無理矢理押し込む女の狂気がハイライト。こんなクズ男を心から愛していた女の愚かさと可愛らしさ。
    この時間この空間、多数の観客を手玉に取ってみせた二人の役者はお見事。

    0

    2021/07/17 22:45

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大