七祭〜ナナフェス〜この夏、胸アツ!演劇2本に映画だ、わっしょい! 公演情報 On7「七祭〜ナナフェス〜この夏、胸アツ!演劇2本に映画だ、わっしょい!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    11日、下北沢のシアター711で上演された、On7第5回公演『おんなな七祭』千穐楽を観てきた。このOn7 という演劇ユニットは、老舗劇団に所属する女優7人がプロデュース公演を行うユニットで、数年前にその存在を知ってから観に行くようになったもので、7人の中に知人は存在していない。ちなみに、7人というのは、渋谷はるか(文学座)、安藤瞳(青年座)、吉田久美(演劇集団円)、小暮智美(青年座)、宮山知衣(テアトルエコー)、保亜美(俳優座)、尾身美詞(青年座)のこと。あえて誰かのファンというなら尾身美詞だろう。なにせ、あのキャンディーズの美樹ちゃんの娘なのだ。

    それはさておき、今回の公演は40分の舞台2本と40分の映画1本の3本立て。フライヤーの記述から、舞台2本→映画という構成だと思ったら、実際には映画→舞台2本という内容。
    最初に上映された短編映画のタイトルは『うまれる』。これがなかなか重い内容だった。小学校でいじめのために亡くなった娘の亡くなる原因を知った母親が、そのいじめ仲間の子供達を詰問し、母親達に刃物を突きつけ復讐を果たし、自らは娘の通っていた学校の校舎から飛び降り自殺するというもの。これが、生まれる子供、生まれるいじめ、忌まれる憎悪という危険なテーマ。親の愛情を考えるきっかけになって欲しいというプログラムの解説だが、それを考える前にテーマの重さ、死への復讐というものの問題を映像で突きつけられた観客は、上映終了時、じっと押し黙ったままだった。
    ここで会場の換気のため5分の休憩が入ったのは、このあと舞台を観なくてはならない観客に取っては救いの時間だったかも知れない。
    2つの舞台は各3人の女優が出演し、2つの舞台をつなげる役目を宮下が受け持っていた。
    で、1作目はミュージカル仕立ての『夜会』。場所は劇場の楽屋。とある女優とそのマネージャー、そしてマネージャーの姉が演じるのは、マネージャーの姉が実は吸血鬼で、病で残りの寿命が短いことを知ったマネージャーが、姉に血を吸われ自ら吸血鬼になり、さらにそのマネージャーが女優の血を吸い女優も吸血鬼にして不死身の身体にし、マネージャーとして女優を更に売れ混もうという内容。
    2作目は、『座れ!オオガミ』。グラウンドで観たこと聴いたことのないスポーツの応援に来ている出場者オオガミの勤務する会社の女子社員3人から成る応援団。なぜそんな応援団が出来たかというと、3人の中に親子ほど離れたオオガミと付き合っている女性がいたからなのだった。その女性のためにも、どこか納得のいかないまま応援を続ける女性達。

    映画は重いテーマだったけれど、舞台の方は娯楽とでも言える内容だったかな。観終わってホッとしたのが正直な感想。ただ、舞台に出てきた女優達が映画の役柄とダブって見えてしまったのがちょっと心に痛いところだった。

    次回公演も楽しみにしたい。

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    2021/07/17 20:50

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