「アンネ・フランク」なぜあなたが死んで、私たちが生き残ったの? 公演情報 MyrtleArts「「アンネ・フランク」なぜあなたが死んで、私たちが生き残ったの?」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    かつての新宿梁山泊女優(現役含む)が集う同窓会公演、どんな趣向が...と想像を膨らませていたが予想を上回り、物語の深みに誘われる舞台であった。「アンネ・フランク」という、演劇界でも古典に属する作品を読んでも観てもいないが、そのためか新鮮に物語(実話であるが)を味わった。当時目にしていたはずの梶村女史は面影も覚えてもおらず、ただ太い声に舞台上の風格あり、数年前10年越しで目にした近藤女史も今作では往年の少年役を彷彿させる少女役、言わずと知れた三浦氏は見た目変わらぬ演技でもこの三人では息ピッタリで馴染んでいる。懐かしさと共に、紐帯の力を見た思いである。

    ネタバレBOX

    惜しむらくは選曲がやや定番過ぎ。終盤のメッセージは言葉に出さなくて良かったか、と(タイトルに絡むので難しい所だろうが..)。
    密告した者の事情を戦後、周囲が慮る言葉が吐かれる事になるのだが、、過去の罪を背負う者の内的な事情はその者自身が向き合うべき「個」としての問題、それを「同じ立場なら皆そうしたかもしれない」とは、事実の次元。「だから問題はそこにはなくそのような歴史を辿らない事が大事」といった一般論と並べるのはそぐわなく思えた。恐らく舞台表現の問題として、そこは気になった。(梁山泊ならではの「物語」性の濃さと、相反する要求かも知れぬが..)


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    2021/07/09 08:59

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