WORLD~Change The Sky~ 公演情報 舞台「WORLD」製作委員会「WORLD~Change The Sky~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    廃墟のようなセットにずっと雨が降り続けている。エフェクトで投影しているのだろうが、本物に見える程リアル。韓国犯罪映画の重苦しく暗い雰囲気で、18年前に起こった奥多摩の孤児院での保育士殺人事件と現在進行形の連続殺人事件が描かれる。保育士(鎌田亜由美)を殺した元警官(金山一彦)は18年の刑期を経て仮出所。保育士の妹(佐々木優佳里)、当時の孤児院の児童(校條〈めんじょう〉拳太朗、杉江大志)等は楓先生殺しの真犯人への復讐を企む。

    柴小聖(しばこのな)さんを久し振りに観たが相変わらず綺麗。佐々木優佳里さんは手足が長くスタイルが良いので絵になる。
    休憩15分含む2時間半。
    警察の上層部に“ボス”と呼ばれる男がいて、ヤクザやブローカーを使って金儲けをしているらしいのだがその正体は謎に包まれている。

    ネタバレBOX

    登場人物の行動原理が無茶苦茶。現場に居た事から恋人の保育士、楓先生殺害の犯人にでっち上げられた金山一彦氏。「俺はもう死にたいからどうでもいい」とそれを黙って受け入れるも、18年後仮出所してから復讐を考える。しかし何をするでもなく、犯人の一味であるブローカーの元に世話になる。訳が分からない。

    クライマックスは凄まじい話の納め方。警察も容疑者もヤクザもブローカーも全員18年前に事件のあった奥多摩に大集合。楓先生の命日に「最後に墓参りに行きたい」と、何か企みがありそうだった金山一彦氏が突然拳銃を取り出して見張りのヤクザを撃つ。が、後ろに控えていた奴等に肩を撃たれて蹲る。
    かつて自分こそが真犯人であると部下に告白した主任刑事だったが、「楓先生を殺したのは主任ではない」と現場に居た者の指摘。「じゃあ、本当は誰が殺したのか?」との当事者達の問い掛けに、今まで名前だけで姿は見せなかった警視・渡辺裕之氏が突然初登場。「俺が殺した」との告白。何じゃそりゃ・・の唖然とした客席。まあ、権力でこの場を無理矢理収めようとするのだが、突如として下っ端の刑事が「実は俺は潜入捜査官で貴様等の悪事を調査していたのだ」と名乗り出る。「証拠がないじゃないか」と開き直る警視。すると雑誌の記者達が現れて「実はこの会話、全て隠し撮りさせて貰っていましたよ」と。

    余りに不条理で現実感がなく、コントなのか?とすら思った。重要な台詞の言い間違いがあったり、終始ぐだぐだ。大した地上げでもない孤児院利権の為、当時副署長だった“ボス”が自ら保育士を滅多刺ししに行くのも理解し難い。仕事を投げている時の三池崇史作品のような雑な終わらせ方。夢オチに近い感覚で呆然としたまま暫く現実感は戻らない。じゃあ、今まで真剣に観ていたこの物語は何だったんだ?
    が、シャマラン映画のような妙な爽快感があったのも事実。これはこれでいいんじゃないかと思う。

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    2021/06/29 23:24

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