実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2021/06/24 (木) 18:00
初演から何回も観ている戯曲だが、迫力があり重厚で優れた舞台だった。観るべし!
2011年の4月、中津留lovers名義で上演され、震災から1ヵ月で「災害」を扱った作品というので話題になったが、中津留loversでの再演やトム・プロジェクトのプロデュースで何回か上演されたものの、中津留の本拠地であるTRASHMASTERSでは初めての上演。他のユニットに書いた戯曲をトラッシュがやるのは恐らく初めてではないか。部分的に改作はされているが、大筋は変わっていない。133分。
田舎で災害に慣れてしまった人達と、東京に出ていて正論を言う匠、そして匠を応援する何人かの対立を描く前半の青年団の会議。そして後半は災害が起こり…、という展開だが、説教臭い展開ではない。匠が感情的になっている様子も描き、よく練られた戯曲だが、本作では個々の人物のキャラクターがより際立ち、見事な作品になっている。どの役者も熱演だが、嫌な役回りを演じた長谷川景と、看護師を演じた福永理未が特に光った。