実演鑑賞
満足度★★★★
新・すみだパークスタジオ倉へは二度目の訪問(二度とも桟敷童子の観劇)。新館の特徴はステージが奥深、客席の段も多い(と見える)。天井高め、最上段にオペブースが組まれ劇場全体にフェードアウト感があるのに対し、旧スタジオは横長で最上段は背中が壁、天井も迫る感じだったから閉塞感即ち一体感もあり、客席とステージも間近。前回、今回と最上段から観たことで、長い旧スタ時代に完成されたとも言える桟敷童子舞台の検証の機会となった。
前作『花トナレ』は千秋楽、今回は初日を観たが、アングラの系譜を辿れる桟敷童子の「テント」に劣らぬ熱量が、新スタジオの最上段=「巻き込まれ感」圏外まで直接には届かず(地球が最適距離なら火星位か)、俯瞰の目線になるが、それでも前回の『花トナレ』は一個の有機体にも似る劇団の即応力(観客や場の空気に対する、また「同時代」に対する)にただ感服し、抑制から滲み出る純度がコロナ下の一つの理想形にも思えた。
今回、「そこまでではなかった」との感想はまだ初日のせいか、客演率の高さ(主役も客演)のせいか・・。人間どうしても比べてしまうが、同じ回を観た知人は前作に比べて大満足だと笑顔をこぼしていた。
詳細後日。