実演鑑賞
満足度★★★★
昭和・バブル期(1980年代半ば)から平成(2019年頃)にかけての約35年間のビジネス史を、ある合併企業内の出世競争を通して描いた骨太作品。合併するまでのダイナミックな過程はサラッと流し、拮抗していたライバル会社で働いていた人々との出世競争(勢力争い)、及び現代の労働環境の変化、時代状況や社会事情に翻弄されるサラリーマンの悲喜交々を描く。もっとも悲哀がほうが前面に出ていたが。
何となく自分が働いていた(現在も進行形だが)時期に重なるので、懐古的な気分で観劇。ただ、合併後の組織内という観点が、物語の世界観を小さくしているような気がした。
ちなみに「鋼の糸」とは、実に含蓄あるタイトル。観劇しないとその意図が解らない。
(上演時間2時間 途中休憩なし)