ドップラー 公演情報 KOKOO「ドップラー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    変幻自在、サプライズ満載なストーリー。お伽噺「浦島太郎」、寓話「ウサギとカメ」、神話「パンドラの箱」、アポロ(有人月面着陸)計画等、色々な物語を想起させつつ、破綻と成立の境界を行ったり来たりする危うさ。それがなんとも不思議な魅力を放つ。一級のエンターテイメント作品とまではいかないが、それでも新たな旋風を巻き起こすような予感?がする。
    上演時間2時間(途中休憩10分)

    ネタバレBOX

    上手側に階段を設え、舞台上にあるのはドラム式洗濯機1台のみ。あとは小道具としての弁当箱。大きく空間を確保するのはキャストが走り回る、そのスペースを確保することと同時に、壮大な宇宙空間の演出を意図しているのであろうか。キャストは総じて若く、大声、走り回るといった演技が印象的だ。

    物語は、お伽噺、寓話、神話、さらには世界的な関心事など虚実綯交ぜにし、それぞれのモチーフを断片的に繋ぎ、さらにコント的な場面を挿入し笑いを誘う。一見 無関係なシーンが次々と放り込まれハチャメチャな感じがする。縦横無尽に展開する物語はどう回収し収斂していくのか疑問が残る。にも拘わらず いつの間にか一本の線(本筋)の上にいる。過去と現在もしくは未来という時間の流れ、そこに人間の性格や生き様を上手く絡め、表層的には破綻しそうな話が重なっていく。何故か重層的に展開しているような錯覚に陥る。その訳が分からないマジックワールド的なものが魅力かもしれない。

    題名「ドップラー」は「遅れて共鳴が来る」ということらしい。それを2人の青年(1人は足も生き方も早く、もう1人は鈍く不器用な人生を歩んでいる)の生き方に象徴させる。人生、早いか遅いか(何をもって比較するかは曖昧)の競争ではないといった教訓的なことを、お伽噺や寓話等に準えて描く。

    が、実は本来担うべき人間が、何らかのアクシデントで全うできなく足踏みしている間に、周回遅れで追いついてきた人間が取って代わる。いや そうせざるを得ないという状況に追い込まれる。注目され後に引けない国家的なプロジェクト-宇宙計画。しかし、そこには不整備なロケットへの搭乗という秘密が隠されている。遅れてきた人が衆人環視の中で搭乗せざるを得ない状況に追い込まれる。周りの英雄視扱いとは逆に自己犠牲へ、いつの間にか周りの思惑に踊らされる不条理。物語は、決してジグソーパズルのようにピースがキッチリ収まらないが、そこが伸び代と言える。粗削りだが勢いのある公演、自分は好きである。

    次回公演も楽しみにしております。

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    2021/05/08 05:32

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