実演鑑賞
満足度★★★★★
24日午後、池袋のシアターグリーンのBOD in BOXで上演されたViStar PRODUCE公演『引き結びー紬ぎ結ぶははじまりの糸ー』を観た。これは知人の役者・井上茜が出演していた関係からである。上演は一部ダブルキャストの紬チームと結チームで行なわれており、自分の観に行ったのは結チームによる上演で、結果として大千穐楽の公演となり、終演後には主宰の星宏美の涙ながらのコメントが観客の涙を誘った。
舞台はとある劇団の千穐楽公演の受け付け窓口。劇団員の忙しさの合間をぬって登場するのが、この舞台の主役・星乃美桜(星宏美)。劇団に入団希望者としてやってきた美桜は、実はこの劇団の主宰者・佐藤慶大(岡教寬)と主演女優であり制作もこなす北郷春(中山ヤスカ)の養成所時代の恩師の娘であったが、弱視というハンディを背負っている女性でもあった。そのハンディから、女優になるのに反対する父親・星乃真咲(音野暁)や出来るかどうか困惑する劇団員達。しかし、美桜の決意の固さとその母親で女優としての目標でもあった故・星乃いぶきの事を思う父親や劇団員達の理解もあって、ついに劇団員としての舞台に望む。しかし、初日に劇団員としての初舞台の緊張に押しつぶされそうになる美桜。その彼女を後押しする劇団作家・桜田直弼(湯口智行)の言葉に勇気づけられ初舞台に望む美桜。無事に舞台を勤め上げた美桜は、晴れて正式な劇団員となるのであった。
何と言っても、この舞台の中心は美桜と春。準主役は桜田と佐藤。この4人の熱演が全てを決定づけた。特に女優二人の熱演には拍手を送りたい。
笑いを担当する佐藤と、涙を担当する美桜と春とでも言えようか。会場に時折すすり泣く声が聞こえた。自分も思わず涙・・・
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気持ちよい舞台を見せてもらった。難点は、時折挟まれる間の悪さかな。これは脚本の問題だろう。今後の精進を望む。