実演鑑賞
満足度★★★
ドラム式洗濯機が舞台に一台、いつしか月着陸船にも見えてくる。ドップラー効果とは、動く音源が近付くにつれ音の高低が変わっていくこと。今回はタイムラグ的な意味に使っているのかも知れない。80年代を熱狂させた小劇場ブームの方法論を敢えて今演る感じなのか?とにかく懐かしい感じと既視感。昔、知り合いに頼まれて付き合いで観た学生演劇は大体こんなだったような。連想ゲームのように思いつきだけを武器に想像力の限界まで跳び跳ねようとする衝動。
脚の速い太郎といつも周回遅れの亀田の出遭い、宇宙飛行士になって月面着陸を目指す二人の話がクロスオーヴァー。
キャストが皆絶妙に良かった。汗だくで極真の選手みたいなガタイの國松卓氏。表情が飛び抜けて素晴らしい吉井翔子さんが矢鱈印象に残った。役者一人一人に興味が湧く舞台。