斬られの仙太【4月25日公演中止】 公演情報 新国立劇場「斬られの仙太【4月25日公演中止】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2021/04/09 (金) 13:00

    座席1階B1列11番

    4時間半の上演時間、約80の役、そして何と言っても三好十郎、久しくの新国立の舞台なのだが、正直、観劇を戸惑った。これきつくない?日和った私は、観劇仲間の姉御に、責任丸投げで、結果、観劇へ。
     よいな、とてもよい、第一幕を観終わり、何の屈託もない。話がとても分かりやすく、脚本はどうか判らないが、三好十郎独特の捻りというか、思わせぶりとかがない。芝居が体にしみ込むように心地よい。登場人物各自の端から端まで、声が呼吸が通底し、開幕数分で、仙太を含むその周辺状況が頭と心に入り込む。
     伊達暁さんの芝居は何度か観ているのだが、本舞台そのうつろいのある演技の中でも、最後まで土の匂いを醸し出す一百姓として演じ切る透徹さは見事。
    農民でありながら、藩上層部の勢力争いに巻き込まれ(おそらく、多くの人は「人斬り以蔵」を思い出すだろうが、歴史的にはこちらが先。ただ仙太が実在したかは?)国だ大儀だと、暗殺のお先棒を担がされる仙太を、観客の同情にまみれることなく、二本足が大地に根を生やしたがごとく力強く魅せる。博徒に身をやつしても百姓、人斬りをしていても百姓、そんな感じか。
     4時間半、あっという間だった。いやあ面白かった。
    さて、水戸藩というのは、本当に先鋭・見識のある藩だったのだなあとただただ肝心。ただその時代先取りが、結果、薩長土肥においしいいところを全て持っていかれるのだけれど。

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    2021/04/15 00:55

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