満足度★★★
評伝劇としては、真杉静枝がどのように生きたかはわかるが、なぜそのように生きたかを掘り下げるに至らなかった。松本紀保(松たか子の姉)は、静枝の喜怒哀楽と意地をよく演じて、さすがの貫禄を示した。しかし静枝が次々男を乗り換えたのはなぜか、逆に言えば男たちにモテたのはなぜか、戦後、慈善活動や被爆者乙女救済に力を注いだのは何故か、わからなかった。特に中山義秀が結婚後は静枝をじゃけんに扱うように変わってしまうが、何故なのだろう。
女だから、植民地台湾出身だからというのが後付けの理由のように見えた。
石原燃の新作に大変期待していたのだが、今回はあまりいい観客になれず、残念。