満足度★★★★
#PINKの川でぬるい息
初日&千秋楽を観た。性趣向、近親相姦、売春、ドラッグ、差別、家庭や学校教育の限界や崩壊……さまざまな社会の陰部のタブーをポップにユーモラスに描いた秀作。作品をリードする広川碧さんの吸引力に畏れ入る。役と彼女自身がバリアフリーで……別の作品を観てみたくなる。それは彼女の力はもちろんのこと、演出の目と力によるところも大きいだろう。目当ての岩井七世さんは、ろりえ『年末』に続きお姉さんポジションで、しかも同性愛。クールな彼女が、ユキと手を合わせながら立場が逆転し恋に落ちて行く様にドキドキさせられる。彼女の歌い踊る目がヤバイ😅楽しそうで楽しい。
ストリートミュージシャン役の大垣友さんの果たす役割って大きい。生音の歌も転換のジングル⁉️も。
キャラクターとしては小日向雪さんのベンジャミンがたまらない。キュンキュンする。
欲を言えば最後までユキのドラマととして観たかった。ラストにネオンちゃんへフォーカスしていった感じが少し緊張が緩んだ気がした。ネオンちゃんのドラマはスピンオフとして別作品でじっくり観たいと思えた。
アフターイベントは大好きな藍澤慶子さん出演の短編。あの緩さが見事。彼女は本当に巧い。もっと評価されていいと思う。須田拓也さんは流石と言うしかない。二人に挟まれてベンチの真ん中に座り、虚空に彷徨わせる視線なんて極上のご馳走。観ている自分がずっとニマニマしていることを自覚する。だって可笑しくて楽しいんだもの。夢を詰め込んだ空っぽのランドセルを、もう一度背負わなくちゃ。