第6回30GP 公演情報 火曜日のゲキジョウ「第6回30GP」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    予選一日目、配信で観ました。

    ネタバレBOX

    ハコボレ『空箱』

    落語から始まる。
    ロボットが人間を支配する、芸術に規制がかかる世界での記録資料としての落語。
    芸術の再生、それは劇団の姿勢と重なる。
    とかく扇子の扱いが癇に障る、バンバン叩く音にいらっとする。
    この世界では人間ひとりひとりに適性職業が定められており、就く職業を選べない、適性以外のことを自分のやりたいようにすることができない。
    演芸も、音楽も、絵画も、写真も。
    規則を破ると収容され、限度を超えると身体を切り刻まれる。
    達成感や幸福感より、極められるかどうかが尊ばれる世界。
    夢を抱くことのできない世界。
    それでも夢を抱き、身体の一部を失おうとも、やりたい芸術表現に身を投じる人々がいる、命懸けで。
    例え記録に残るものでなくとも、この世界の心のないロボットには理解できなくても、人間の大衆の心には刻まれる。
    ぐっと思い巡らせているところに、また無粋に扇子バシバシ叩く落語、五月蝿い。
    ここで一気に醒めてしまうのが、個人的には大変に残念でした。

    プロトテアトル『エウレカ』

    この物語は、登場人物が制服姿の女子三人だというところがいい。
    教室の休み時間みたいな、放課後みたいな、キャッキャと楽しげな時間。
    殺伐とした状況下なはずなのに青春を感じる。
    安保に反対する学生運動のように、自分達に影響を及ぼす何らかの採決がなされようとしてることに対する中学生によるデモ活動の真っ只中。
    デモから距離を置いた屋上に避難している女子中学生三人。
    キャッキャしてる雰囲気もやがて、自由研究という名目のジャーナリズム議論に移る。
    自由研究とか懐かしい、当時は何していいかわかんなくてひたすら面倒なだけのものだったけれど、今から思えば何してもよかったんだしあんな楽しいものなかったのにな、それを教えてあげに戻りたいな。
    子供の可能性は本来、無限大だし夢と希望に溢れてる。
    それを妨げる事象には怒っていいんだよ。
    掲示板やらSNSやらでネチネチするのではなく、堂々と。

    終わった後、投票のアナウンスをいつものテンションで行うダイゴさんの背後で、女子三人ぷらすアイウチさんが、せっせと舞台上いっぱいに散らばってた紙を回収してる光景が、なんか良かったです。
    配信組には投票権がなかったのが寂しい。

    0

    2021/02/02 19:57

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大