満足度★★★★
鑑賞日2020/02/08 (土) 12:00
『熱海殺人事件』は何度か観ているけれど、母と子の葛藤やある社会的な事件などを題材に加えた『サイコパス』は初見。
新着の刑事と木村伝兵衛のやり取り。大山の登場。白い花束での殴打。踏みしだかれる菊の花の匂い。そういう定番の場面はそのままに、母殺しと原発、そして神戸の連続児童殺傷事件等をからめて話は進む。
枠組の決まった世界観と思っていたが、こんなに違った顔を見せることに驚く。ことに終盤では、大きな社会的問題を浮き上がらせる重い展開となった。
観ているうちに、物語の行方と強い意志を感じさせるキャスト陣の熱演に引き込まれた。
今回のカガミ想馬プロデュース公演は『熱海殺人事件』4バージョン同時上演という離れワザだった。『サイコパス』以外のバージョンも観たかったな、と観終わって思った。