満足度★★★★★
面白かった。何度も思い切り笑わせてもらいました。まず、大倉孝二が女の役を男と間違えてスタートするのがご愛嬌。さらに後藤剛範が演出の岩井から「記憶とかいろいろを失っているように」といわれて、アジア人のカタコト日本語風に。岩井も「なんか根本からなくした感じでいいですね」とうけて、盛り上がった。
同じく「ヤンキーの感じで」とか「低いヤンキーで、岩岡力也のように」などといわれて、後藤ががらっと演技を変えて、笑った。さらに神木隆之介くんはカミだった。人間を超えたクールさを淡々と出して、見本を示したし、歯のない老人役ですぐに「フガフガ」調で読んで、会場、爆笑、爆笑だった。「ポリデントないんですか?」「忘れたってことで」とか、台本外のやりとりも当意即妙だった。
紅一点の松たか子は、特におかしいことをするわけではないが、後藤や神木の演技に素直に笑い転げる性格の良さが、いい感じだった。「安岡力也」風の後藤の演技には、松が笑ってセリフが読めなくなってしまったのもご愛嬌である。
なんの台本を読んだかは、あえて書かないでおく。岩井も最後まで明かさなかったが、私は映画版を見たことがあったので、割と早くに分かった。でも、最後の別れのシーンは、忘れていた。今回、舞台を見ながら、ラストでジーンときた。この台本に、こんないいシーンがあったとは。台本もナイスチョイスである。休憩20分入れて2時間半。
WOWOWで3月に放映する予定とのこと。
2020/12/28 11:41
会場は、チケットを買った個人・グループごとに1席空ける配置だった。全席オープンではないのは、大手の芝居では珍しい。最近では「不滅の旋律」が完全市松模様の配席だったくらい。スタッフに要請者が出て開演が2週間遅れた「チョコレートドーナツ」も、観客の年齢層の高い民芸「ある八重子物語」も100%配席だった。