絶対、押すなよ! 公演情報 東京AZARASHI団「絶対、押すなよ!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2020/12/27 (日) 14:00

    役者がしっかりしていると、こんなにも面白い物なのか。どうも小劇場の喜劇は力ばかりはいりがちで、終始笑わせることが難しい。しかし、アザラシ団の年季の入った間と呼吸、もちろん稽古量もあるのだろうけれど、この完成度には目を見張る。とにかく、序盤から中終盤まで、大中小・抑揚をつけながらとにかく笑った。笑い疲れた。

    是非、観るべし、って今日が千秋楽でした。

    ネタバレBOX

    さて、日本の大都市を爆発させるボタン、6部屋にそれぞれ、数人が監禁されて、このボタンを誰かが押すことを決めているという。2つははずれボタン。4つは当たりで、1つにつき100万人が爆死するという。この爆破を、北朝鮮・韓国・中国のテロ行為とみなして、それらの国に戦争をしかけるという政府の陰謀らしい。彼らは、ボタンを押さない限り帰れない。逃亡しようとすれば、機銃掃射でハチの巣に、ボタンを押さねば餓死するしかない。
     と、とにかく設定だけはとてもシリアス。
     さて、この部屋の4人は、40年ぶりに会う小学校の同級生で、今回は同窓会の知らせで集まったとのこと。なんでそんな面倒な集め方をしたのか、という理由が、驚くくらいツボに嵌っていて、全くの他人では会話が成立しないし、とはいえ40年ぶりなら何のしがらみも感じないだろうから、ドラスティックに相手を騙そうが嵌めようが構わないだろうと。
     うまい、設定うまい。(ただし、この会場にどうやって入ったのか、道すがらはどうだったのか、ということには触れまい)

     物語はこの状況をどう抜け出すのか、そしてこうした政府の陰謀を物語的にどう回収するのか。

     回収も友情譚で、よくできていると思う。ただ、そうなると40年ぶりのほぼ他人という設定がもったいなくも思える。
     そこは完全に好みの問題で、かなり荒唐無稽な設定だからこそ、私などは、もっと破滅的あるいはブラックな最期でもよかったかな。ラスト登場人物の1人が部屋を出て、機銃掃射の音が聞こえた時、実はこのハッピーエンドは、、、と期待したのは、私だけかな。もうひとひねりを求める、欲張りさんでした。★4つなのはこうした理由です。★5つの方にも、十分納得。

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    2020/12/27 20:59

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