満足度★★★★
映像配信で拝見。画像音声ともパソコンで十分見やすく「劇」に堪能できた。ウェルメイドでも嫌味が全くなくストーリー展開が自然に入って来るこういう作品は「降って来た」ものでは?等と想像する(初めての劇団で何も知らないが)。
冒頭はサッカー観戦の光景。接点のある4組それぞれの人間模様が描かれ、ラストに同じ観客席のシーンに戻る。赤の他人同士の観客席が群像に見え感慨が打ち寄せるという塩梅式。人間模様の断面の見せ方がうまい。人の内にある目立たないが動かし難い思いが、小さな変化を起こす。微妙な変化を演じる役者も何気に貢献。
演出的な最大の貢献は「応援の声」。バラエティに富む応援ソングが試合が進むにつれ熱を帯び、情緒を掻き立てる。
彼らの姿は非日常を求めて劇場へ通う我々に似ているが、彼らの日常とサッカーとの関係について想像を巡らした。