満足度★★★★
それぞれ自らの理が強い4人が語り合えば
正しさが不明となる空間と化す
それぞれのおぼろげな動機に正体を無くす
こんなにも近くで明瞭な言葉なのに舞台上に靄がかかる
ぼくらに見えているのは長いフィルムの短い一コマ
その一コマにどこまでも思案を巡らせる
嶋谷さんは訝しい、ただひとりこのフィルムを回す人
高橋さんは可愛らしい、届きそうな夢や願望に踊らされる人
五十里さんは生々しい、真夜中にふと目覚めて書いた文章のような人
森口さんは空々しい、誰よりも明日を夢見ている人
そんな、よにん
そらごとVer
台本も配役も一緒だが演出が異なる2バージョンで
主にそれぞれの役作りが大きく変わっていた
物語はより日常的思考を持った人に感情移入してしまうもので
Verによりその軸となる人物が変わって見えるのが面白い
嶋谷さんは脆い、打ち返す壁となる人
高橋さんはエロい、地面から浮いて誘う人
五十里さんは変わりない、ただ生きている人
森口さんは軽い、誰かの持つ風船
観客はそんなよにんを繋ぐ集合的無意識
観客の目を通して姿の変わるよにん