ニンゲン畜生奇譚 公演情報 グンジョーブタイ「ニンゲン畜生奇譚」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    名古屋の人気劇作家佃典彦の新作、劇団にアテ書きしてくれたらしい。この舞台だったら、よそからわざわざ観に来てもらっても地元のファンとして鼻が高い。
    しっかり作りこまれた舞台セットにほぉ~っと思った。
    奇抜な題名と洒落たフライヤーに驚くが、芝居は(おそらくコロナ禍以降に)山奥の過疎の村で自給自足の生活を始めた夫婦と村役場の担当者、毎年訪れるゼミの大学生、それを取材に来たテレビ局員、謎のJTT協会の人たち、その一晩を描いたリアルな近未来世界の舞台だ。
    荒唐無稽にならない現実感がいい。ぶっきら棒な物言いの向こうにその人物の思いが見えた時、ジーンとくるプロセスが実に巧い。
    誰か客演なの?と訝るくらい、こんなに上手い若い役者が地元にいたのかと目を瞠った。
    ホントは、コンビニとネットとゲーム三昧の超便利な生活が大好きなのに行きがかり上、この自給自足の生活を始めることになったと言う、ららら村長のスズキの述懐がツーカイだ。
    ゼミで訪れた3人の大学生の其々の思いがちっとも伝わらなず行き違いのままなのも、現実はこんなものよねと気持ちが楽になる。人間は思い通りに生きられなくっても、それなりにしあわせに生きられるものだ。
    みんなが一緒に朝ごはんを食べ始めるラストシーンがいい。原始時代からニンゲンにとって、しあわせって結局このささやかな営みのことなのかもしれない。
    中国劇王の独善的な辛口批評の佃さんの中には、こんな優しさが隠れている。佃典彦の他の作品舞台も観に行きたくなる。

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    2020/11/24 12:58

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