拝啓天皇陛下様 前略総理大臣殿 公演情報 燐光群「拝啓天皇陛下様 前略総理大臣殿」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

     良く、これだけ思い切ったタイトルをつけた。無論、それだけのことはある。華5つ☆ 必見!

    ネタバレBOX

    作家としては、民主主義とは何か、多数決原理は正しいのか、或は三権分立はこの「国」で機能しているのか? といったような問題意識が表れていよう。然し乍らこれら総ての根底にあるのが主権在民という根本原理ではなかったか? 即ち我々国民が1人1人自分の頭で考え、判断する自由である。この自由を行使する為には正確な情報が開示されなければならない。戦前・戦中・敗戦後、日本で一貫しているのは情報廃棄・隠匿・隠蔽・削除等である。然し乍ら、このように扱われてきた情報は誰の物か? 無論、我々国民のものである。それをたかが公僕に過ぎないキャリア官僚や国民の負託を「受けた」だけの政治屋が恰も我ら国民より偉いと勘違いして勝手に廃棄したり隠蔽することは許されない。より本質的な問いを立てればそもそも、個々人の意志を他者に付託すること自体、本来不可能なことである。己自身が、親に対して抱く総ての感情を他人に代替させることなど出来るハズもあるまい。従って実政治の在り様として原理的に正しいのは直接民主制であるが、実際問題としては総てを直接民主制にしてしまうと余りに煩瑣になり非現実的であるから、肝要なことのみを国民投票に掛けるなり、付託事項を成文化した議員達の案の認否を国民に委ねる、またある条件の下に国民が自分達で法を発議する権利を保障するなど、現在スイスで行われている直接民主制が参考になる。こんな当たり前のことが、この「国」では通らない。その原因は第1に国民自身が己の頭を使って考えないからであり、第2に権威・権力者の前では奴隷よろしく思考停止状態に陥るからである。更に下種ばかりが残っているキャリア官僚共は、エリート意識を卑しい感情と思いもせず戦前・戦中同様自分達だけは、コーヒー一杯に人生を計ってしまった、などと下らない詭弁を使って、本当は自分達の設計によって泥船となった祖国から自分たちだけは権益を盗みおいしい生活の上に胡坐をかいてゆこうとしている実態がある。政治屋共も同じ、重厚長大産業のオーナー企業・旧財閥らも同じ穴の貉である。これに対して現在の我々の生活実態とは如何なるものか? いくら朝から晩までマトモに働いても月20万程度の稼ぎでは、仮に結婚しても子供迄は持てまい。共働きが出来なくなるからである。働き疲れて思考すらままならぬ。自転車で宅配をやって1つ荷物を配送して幾らかの涙銭を受け取りカスカスの生活に追われている。一方こんな物流のシステムを作り上げた連中は殆どプラプラしていれば良い。而も給料は遥かに高い。冷暖房の効いた清潔で明るいオフィスで快適な生活をエンジョイし、総ての存在は、他の総てに対しアプリオリであることすら忘れ果てているらしい。このような状況の中で、主人公は、国民の為に生きる仕事を誇りとするまともな公務員である。戦時中から彼を頼る朋輩を物語に組み込むことで戦前・戦中・敗戦後の日本の我ら大衆の在り様、意識・民度の低さ、思考停止の様を描いた秀作。ベースにされているのは、モリカケ問題の瞞着性であり、情報公開破綻であり、我々自身の思考停止であり、そのことが単に首相であった安倍のみならず我ら自身に齎した殺人であり、我らの我ら自身による我ら自身を亡ぼすジェノサイドであり、哲学の不在である。

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    2020/11/19 13:30

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  • 皆さま
    アップしました。ご笑覧下さい。
             ハンダラ 拝

    2020/11/19 13:35

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