時系列で読むギリシャ神話 公演情報 カプセル兵団「時系列で読むギリシャ神話」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ギリシャ神話の神々_オリンポス十二神が時空を超越し、現代に舞い降りた。そして神々と言いつつも浮気、嫉妬という あまりにも人間臭い面を際立たせ面白可笑しく語った朗読?劇。
    「神話の世界が立体的に理解できる圧倒的エンタメ朗読劇」…まさに謳い文句通りの内容であった。
    (上演時間2時間)

    ネタバレBOX

    朗読劇らしく横一列に椅子が置かれている。始めは座って朗読するが、興に乗ると立ち上がり歩き、または歌い出すという(一見)自由奔放な演出。しかし役者の個性を十分に知り尽くした放任的朗読は、”楽しい”と思わせる雰囲気作りへの緻密な計算があってのことだろう。

    十二神の主神はゼウス、その両親、祖父母まで遡ってタイトルにある時系列を分かりやすく解くような展開。その時系列の中に有名な「パンドラの箱」や「ノアの箱舟」といった事柄を挿入し物語の興味を持たせ続ける。さらに神との関わりを示す星座にまで言及し何となく関係性が分かったような気にさせる。神話という堅苦しいイメージを払拭、そう思わせる自由な演技(朗読)、それらが奔流すればするほど物語の虚構性として突き放す。一方で観客の興味を引き付ける娯楽性も重視。一見、真逆のような演出が物語の妙味を引き出している。
    この会場という空間だからこそ体感できる、だから演劇は劇(会)場で観たくなる、そんな典型的な文化を描き出したといえる。

    さて気になるところが…。
    確かに役者の自由度が大きく、それが魅力ではあるが、1人ひとりのパフォーマンス(一発芸)の時間が長く、また人によってはフルに歌い上げており面白さと しらけ が半々だ。一発芸らしくパッと決めて本筋に戻ってほしいところ。またその芸にしても全員が順々に行っていたこと、それを何回か行うことによって”時系列”を寸断し、逆に素の役者を観る時間が長くなる。できれば一発芸も物語-神話のワンシーンとして組み込んで公演全体の流れの中にあって欲しかった、のが少し残念なところ。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2020/11/15 17:12

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