チェリーボーイ・ゴッドガール 公演情報 ゴジゲン「チェリーボーイ・ゴッドガール」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    童貞をこじらせるのはよくないぞ(と作者に伝えたい)
    前作『犯人は・・』、前々作『モンチャン』に比べて、役者と同年代の設定のため、無理なくのびのび演じていたのが好印象。

    もはや「手堅く」と言っていいほど、間違いなく笑わせてくれる劇団である。
    今回は、下ネタの大爆発なのだが、笑ってしまう。

    いくらなんでもそこまではないだろっ! と言いたくなるほど、異常なほど極大化したそれぞれのキャラクターがとてももいい味を出していたし、極端なほうへ進んでしまう話自体も笑えるからOKだ。

    でも・・・

    ネタバレBOX

    よくよく考えると、彼らと合コンをし、結果的にメンバーに好意を寄せる「ミューズ」と呼ばれる、黒木メイサ似をはじめとする女性陣は、舞台上に姿を現さないのだが、彼らの様子と、この極端な話の流れを考え合わせると、そもそも、筑波の街にそんな美女4人が現れて、彼ら童貞軍団と絡むということは、どうもおかしい。変である。

    ひょっとして、その女性たちは、童貞をこじらせてしまって、現実と夢とが不明確になってしまった彼らの妄想の産物ではないのか、と思えてしまう。
    というか、どう考えてもそうとしか思えない。
    今までこんな生活をしていた彼らに、こんな急に降ってわいたような話があるわけがないからだ。

    ラストの、とんでもない破綻は、そんな妄想と現実がぶつかることによる歪みが、彼らの精神を蝕んでしまった結果と思えるのだ。

    そんなラストなのだが、『モンチャン』のときにも感じたのだが、なんで、そんな救いのないラストにしなければならないのか? と思ってしまう。誰もがそう思うだろう。
    せっかくそこまで笑っていたのに、それは凍り付くようなラストなのだ。

    さて、ラストにもうひと笑いしようと、口を開けかけた観客の、その口の中に、まさに粉洗剤のアタックと液体のカビキラーが注ぎ込まれるようなラストがやってくる。

    鍵を握るであろうゆうちゃんの病と、彼らになんとなく蔓延している「自殺願望」。
    童貞云々は、死ぬための理由づけのひとつ、というか、童貞という現象が彼ら閉塞感を象徴する大きなモノであり、それを旗印に死んでいくという話だったら、救いがないかもしれない。おいおい、それじゃあ、笑って観てられないじゃないか!

    ひょっとして、作者の中には、「幸せになることの恐怖」または単なる卑屈(劇中で繰り返し表現される「童貞」的な卑屈)が支配しているのだろうか。
    そこには、何か根深いものがあるのではないのだろうかとも思ってしまう。

    こういう不条理的なひっかかりがゴジゲンがゴジゲンたる所以かもしれない(そう言えば、『サムライキッチン』でも腕が落ちたりしてたなあ)。

    それと、ついでに書くと、彼らには筑波にいる理系の学生または研究者(?)という設定があり、それは冒頭では使われるのだが、あまり活かされてないのが少々不思議。

    3

    2009/05/09 06:02

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  • コメントありがとうございます。

    そうなんですよ、『モンチャン』のときも、ラストはいまいち納得できなかったんです。
    今回は特に、卑屈で悪い方向へと爆走しすぎなので、いろいろ考えて、結局のところ、作者の気持ちが色濃く反映されているのではないかと思った次第です。

    ラスト近くのシミュレーションは、男だってドン引きですよ(笑)。どうやって迎えるか、がやっぱり加速度的に暴力的になっていきますし、その前の部屋に忍び込んでいろいろするのだって悪のりとしても行き過ぎですから。

    この2つのシーンが物語っているのは、「1人じゃ何もできない(女性と話しさえできない)男たちが、集団になると急に何でもできるように、というか凶暴にさえなることができる」という集団心理であり、それはある意味、真理を突いているように思えます。
    そういう意味では、この不気味さは、見事であり、うまい脚本であると言えるかもしれません。

    劇中で「大学生」という設定があったかどうかはわかりませんが、筑波大の学生か、筑波の研究所の職員ではないかと思いました。それが果たして勝ち組かどうかはわかりませんが(笑)。

    2009/05/11 02:34

    私も公演見て来ました。
    ラストのオチについて、劇団の内容紹介文にあるように結局は臆病すぎる故に「童貞捨てる位なら死んでやる」て事なんでしょうが、なんか納得いかなかったんですが、こちらの感想を読んだら、そういう事なら納得できます。
    あと私が女だからか、シュミレーションの強姦で輪姦彷彿シーンはどん引きでした。
    実際の彼らにそんな勇気はないのは分かっていても…


    筑波の大学が他にあるか知らないですが、彼らは筑波大で理工学部の高学歴。そういう意味では勝ち組ですよね。

    2009/05/10 19:43

    私も公演見て来ました。
    ラストのオチについて、劇団の内容紹介文にあるように結局は臆病すぎる故に「童貞捨てる位なら死んでやる」て事なんでしょうが、なんか納得いかなかったんですが、こちらの感想を読んだら、そういう事なら納得できます。
    あと私が女だからか、シュミレーションの強姦で輪姦彷彿シーンはどん引きでした。
    実際の彼らにそんな勇気はないのは分かっていても…


    筑波の大学が他にあるか知らないですが、彼らは筑波大で理工学部の高学歴。そういう意味では勝ち組ですよね。

    2009/05/10 19:43

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