私はだれでしょう 公演情報 こまつ座「私はだれでしょう」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    こまつ座のこの種の舞台はそれほど好きではないのだけれど、父が戦争に行っていたせいかついつい観てしまう。今回は記憶喪失した復員兵が話の一方の主役で父と同じような任務に就いていたことから昔聞いた話を懐かしく思い出した。幸い父は記憶喪失にもならず実家も空襲に遭わなかったので日本に着いてからはすんなりと帰郷できたのだった。

    当時の基本的な用語や社会情勢がふんだんに盛り込まれている。軍の幹部が戦後のどさくさに軍需物資をわがものにする話が出てくるが、戦時中でも物資を不正に蓄え妾をかこっていた奴がいたというのは母がいつも憤っていたことだ。こういう話は井上ひさしの世代のリアルだったのだが私の世代ですでに伝聞であり若い世代には別の宇宙の話で理解は困難だろう。

    ストーリーは二つの主題が交錯し、大小さまざまな伏線が張られ、歌あり、踊りあり、タップダンスまであり、とサービス精神旺盛である。私も面白かったで終わらせておけば良いものを、GHQに逆らうなんてそんな勇気のある人々がいたんだと調べ始めるととたんに困ったことになった。フランク馬場は実在するものの川北京子は見つからない。そしてフランク馬場が軍法会議にかけられた形跡はなく、それどころかそれ以降も日米で大活躍するのである。まあこの舞台は事実と空想を作者の頭の中で混ぜ合わせて熟成させたものなのだろう。

    イベントの開催制限緩和が漸く実行されてこの舞台も1席飛ばしではなくなった。贅沢な時代の終わりは、関係者には怒られそうだけど、ちょっと残念。

    ネタバレBOX

    ジャガイモでサインを写し取って書類を通すなんてあるわけないだろうと言われるとその通りではある。

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    2020/10/10 14:57

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