満足度★★★★★
やっとノーマルを目の当たりにした。もちろん、劇場という迷宮に入るまでは、これでもかというくらいの対策をしている。マスク義務化、体温測定、発声しなくて済むチケット発券システム。
他の劇団だと「表現」が腐りかけても、妥協してしまう。だが、演劇とは世界を作っていく行為なのに、およそ不自然なマスクが介在して、そこを都合よく省ける能力が私たちにはあるだろうか?アントンチェーホフの戯曲に白い布を身につける人々がいただろうか?これでは非日常の時間軸なぞ、現実に取って変わってしまうだろう。
マンネリズムを避け「ホラー」と銘打ったものの、さすが、そこはライオンパーマだ。一筋縄ではいかない。いや、深慮すれば、タイトルに仕掛けが施されていたのかもしれない。逆さから読めば(読んでいないが)「ラホー」だ。響きからして軽やかなこと。これぞライオンパーマだ。ありがとう。
さて、冗談はこの辺にして、オムニバスが絡み合う 快感。むちゃくちゃに、理路整然に、責めてくる。そんな2時間だった。
良い話で終わらせばよいのに、それでよしとしない、褒められない捨て身。「禁断の関係」みたいなものに熱くなったと思ったら、さらなる どんでん返しが待っている。いや、それすらも返すのかもしれない。あぁ。何なのだろう、この初秋は。