ひとよ 公演情報 KAKUTA「ひとよ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    映画「ひとよ」を見たとき、田中裕子演じる母親の開き直りに、どうしても違和感が拭えなかった。DV夫とはいえ、人一人殺しておいて、「お母さんは殺したことを誇りに思っている」はないだろう、と。再再演になる舞台は、母親役に渡辺えりを配し、ドタバタ喜劇にした。そのことによって成功したと思う。(初演、再演は見ていない)。渡辺えり扮する母親の、子どもを守るためなら、なんだってやる、盲目の母性愛。子どもたちに及ぼした苦難にたじろぐものの、自分はまちがっていない、と信じて疑わない。その偏狭さは渡辺えりだから、笑える。そこに長男の嫁に扮した桑原裕子が加わり、面白さは倍増する。

    ネタバレBOX

    そしてラスト。母親は、ある出来事から酔って暴れる従業員を介抱しながら、「もしかしたら、お父ちゃんにも優しくできたかもしれない」と、子どものように大泣きする。ここで初めて母親は夫を殺してしまったことへの罪悪感に目覚めるのだ(と思う)。一人、合点がいき、気持ちがスッと軽くなった。良い芝居だった。

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    2020/09/09 01:14

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