風吹く街の短篇集 第二章 公演情報 グッドディスタンス「風吹く街の短篇集 第二章」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    村松恭子企画・演出(初?)によるアラバール3作品を観劇。「風の短編集」は第一章を逃し、第二章を楽しみにしていたが、今回劇場で観たのはこれのみ。生で観る演目に選んだのは、アラバール作品が難解そうだから(あと赤松由美出演もあったが降板していた..T_T)。ところが一つ一つの短編はむしろ分かりやすく、60~70年代だな~という感想で、つい最近観たアラバールの監督作品『ゲルニカの木』の「分かりやすさ」に通じた。村松女史がこの演目をなぜ選んだのか、の方に興味が湧く。舞台化という面では、戯曲を書かれた当時の文脈から現代(というより現コロナ状況?)に植え直すことが出来ておらず、見るに少々厳しいものがあった。合計で1時間に収まる3つの短編はそれぞれの「舌足らず」、即ち書かれた(上演された)当時なら説明不要だったろう何かが「要説明」となっている訳である。村松女史の中に何か恐らく思いはあるのだろうが・・処理しきれず消化不良。

    ネタバレBOX

    内戦突入したスペインでフランコ将軍指揮下に入った(協力した)ドイツ軍が殺戮を行ったゲルニカは、バスクの自治地区として平和を象徴する歴史上特別な土地だったらしい。今公演の同名作では、爆撃の中で「日常」のやり取りを続ける老夫婦の会話が書かれていた。同著者の「戦場のピクニック」が砲弾飛び交う息子を訪れた両親とのちぐはぐな日常会話という、明確な風刺であるのと重なりそうだが、芝居自体は爆撃が徐々に苛烈になって行くとともに「劇的」要素を高めるという、真逆なニュアンスが込められてしまっていたのが多分「そぐわなさ」を感じた理由に思う。
    いずれにしても難しい題材を選んだものだというのが正直な感想。

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    2020/09/02 00:40

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