満足度★★★★
鑑賞日2020/08/30 (日) 14:30
実際には役がもらえないのに、ひたすら化粧をし続ける女優達、かつて主演女優のプロンプターを努めた若き女優、苦労もしてきたが、妙に明るく振る舞う主演女優これらの思惑がそれぞれ絡み合い、時にシリアスに、時にユーモアが入り混じったドラマになっており、退屈したり、現実に引き戻されるどころか、その劇世界に引き込まれた。
最初は役が貰えないことへの焦燥感、諦め感情だった女優たちも、いろいろツッコミどころ満載で、機関砲のように喋りだしたら基本止まらない若き女優が絡むことによって、その心情が少しづつ変化していき、かなり浮いていた若き女優も最後は女優たちと一体となって劇の練習を始める展開になり、感動した。
中年の主演女優が若き女優に対して放つ、若いばかりが女優の命ではなく、経験を積み重ねるごとに培われていく演技力、そして信念を持ち続けて諦めない心の大切さを説く場面に、小劇場演劇の現状とマッチする部分も多く、感慨深くなった。