満足度★★★
鑑賞日2020/08/24 (月) 17:00
座席2列
4つの編成で、日に3回上演もするのだから、各Ver.がそれなりにアレンジされているのは当然か。男性Verはひねりを感じたけれど、他3作品にも潜まれた何かがあるだろうな、という嗅覚も、舞台離れの著しいこの半年に衰えてしまったようだ。
ただただ、「楽屋」を観たくて、風姿花伝へ。
私が選んだのは、こもだまり出演Ver。彼女の「楽屋」が観られるということで期待値が高まる。
原作者清水さんに改変許可を得て演じられる「楽屋」は、サブカルをガンガン盛り込みながら、陽気な体で進んでいくのだけれど、そこには作品全体に通底する女優としての執念と嫉妬心、そしてただ渦巻く諦念が半端ない。
そうだ、そういう作品なんだよな、という妙な安心感と共に、生者と古き死者、やや新しき死者、生者から死者へ移行する者同士の共感と葛藤にただただ、心かき乱さされる。それが起きるのは、各役者がニーナを演じることに執着し、その上で「楽屋」の役に身を挺しているからだろうな。
こもだまりの牽引力と、飯田來麗のそつのなさは見事。やや、死者側に軍配が上がりやすい改変・演出だったかもしれない。
在宅ワークで、東京に出る日も少ない千葉県在住者の日々、もうすこし前から出勤日程調節しておけばよかった。
4Verセット券なんてあざとい商売していたら、きっと早期に私もこの多Verのからくり・楽しみ方に気付いたのだろうに。
追伸:「みなみ」さんの評を拝見して、やはり他Ver.を見損なった感が強い。もう!