満足度★★★★
鑑賞日2020/07/05 (日) 12:00
三谷幸喜らしい演劇愛に溢れた作品だった。
映画や演劇などの文化的な価値が認められていない体制の国で、役者達が収容所に集められ苦しい生活を送る。そこでのさまざまな立場の役者(と管理者)による群像劇。エンディングは切ないが、それこそが三谷の演劇論なのだろうと思った。
2幕休憩25分込み2時間55分の長丁場だが、それを飽きさせない展開は三谷の職人芸が発揮されている。三谷作品初出演の辻萬長を始めとして、個々の役者の見せ場を作るあたりも三谷の役者へのリスペクトからだろうか。個人的には、浅野和之のパントマイムが2本も観られたのは大収穫である。
改装なったPARCO劇場の柿落とし企画だが、コロナの影響で初日が遅れた。客席も市松模様の着席で少し寂しいが、取り合えずこのサイズの劇場で生の舞台が観られることを喜ぶべきだろう。